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藤原吉弘

藤原吉弘

前東和町町人会会長


エッセー

東京東和町人会 ‘19

藤原吉弘                                     投稿日2019/10/22


ajisai
 

 今回で47回目・55年目を迎えた町人会の年次総会が、昨日、いつもの築地本願寺講堂で開かれた。参加者は来賓を含めて41名、最盛期の3分の1の規模にまで落ち込んだ。会員の高齢化が進む一方、ふる里から移住してくる人が少なくなったためである。参加者は減ったが、その分中身の濃い集まりになった。

 

 ところで、総会議事の中で、幹事長から次のような提案があり了承された。来年春、試行的なステップを踏んで、秋には4つの姉妹的な町人会に郡人会も含めて大合同を目指す。試行的なステップとは、旧隣町の会と合同で、来春もう一度会合を開くというものである。会場は、築地ではなく市ヶ谷を予定している。

 

 わがふる里は、いまは一町で一郡を成す体制、町と郡の領域はイクオールになっている。2004年・平成16年に、同一郡内の4つの町が合併して1つの町になったわけだ。一方、関東地区におけるふる里出身者の会は、合併前の町を単位とする4つの会がそのまま存続している。

 

 この、合併前の旧町を単位とした町人会のほか、郡を単位とした郡人会も並列して存続している。郡人会の方はかなり古く、1902年・明治35年発足というから117年の歴史を持っている。もちろん、発足当初からのメンバーは一人もいないが、伝統は脈々と引き継がれている。

 

 今回提案された合同の案は、4つの町人会と郡人会を1つに統合し、名称もいまの町の名前に置き換えるというものである。郡人会の総会は毎年秋に開催されていることから、来年秋の総会は統合後の第1回総会にしたいというものだ。

 

 私たちの出身地である郡の人口は、ピークにあたる1948年・昭和23年が68,584人だった。それが、今年の10月1日現在では15,916人にまで落ち込んでいる。なんと、最盛期の23.2%、4分の1以下の水準にまで落ち込んだことになる。しかも、高齢化率は全国トップクラスである。

 

 この事実を前提にすれば、町人会のメンバーが増えるなどということはとうてい考えられない。その一方で、既存メンバーの高齢化は進行する一方である。ふる里の外で生まれた二世を積極的に勧誘するとしても、それにも限界がある。統合と質の向上で切り抜けていかなければならないことは自明の理である。

 

 一部に、統合しても、縁の薄い連中の集まりでは中身まで希薄になって親睦の意味が削がれてしまうと危惧する人もいるらしい。しかし、ふる里を愛し、なんとか盛り上げていこうという気概さえあれば、簡単に乗り切れる課題である。

 東和町人会の発足は1964年・昭和39年だった。来年、2020年・令和2年に発展的に解散するとしたら、東京オリンピックの前回と次回に大きな橋を渡したかたちとなり、その存在意義に立派な華を添えたことになる。

 
 

(2019年10月21日 藤原吉弘)

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