散歩をしていたら、大腿のあたりに少し痛みを感じるようになった。それでも、ちょっと立ち止まって休むと数分で楽になった。しかし、歩きだすとまた同じような痛みをぶり返した。歩速を緩めて歩きつづけることもできたが結果はあまり芳しくなかった。そして、その症状は日を追うごとに厳しくなっていった。
あれは、一年半前のことだった。たまたま、クラブ活動の合間にその話をしていたら、あるメンバーから“脊柱管狭窄症では”とのアドバイスをもらった。早速、町内の整形外科を訪ねた。背骨に問題があるようだとしてレントゲン検査をしたがはっきりしなかった。市内の保健医療センターを紹介され、MRIで詳しい検査を受けた。データをもらった医師は、脊柱管狭窄症と診断した。
いよいよ、先の見えない治療が始まった。一日3回の服薬とリハビリである。通院は一日おきだったが、途中から週2回に変えた。症状は少しずつよくなっていった。いつの間にか年が明け、通院も半年が過ぎていた。そんなとき、その医院は3月で閉院することになり、当方は別のところに転院させられることになった。ちょっぴり遠くはなったが、また同じように真面目に通いつづけた。
私を苦しめてきた脊柱管狭窄症とは、背骨が変形したために、背骨の中を通っている血管や神経が圧迫されて起こる病気だそうだ。腰からふくらはぎにかけて痛んだりしびれたりする。歩き始めはなんでもないが、歩いているうちに腰から足にしびれを感じ、ふくらはぎが張って歩きにくくなる。前屈みになったり、椅子に腰かけてしばらく休むと、症状は和らぎ、再び歩けるようになる。
治療は、背骨の中を通っている神経や血流をよくするためのもので、薬もリハビリも同じねらいである。最初の医院で処方された薬はジェネリックだったが、新しく通いはじめた医院では先発医薬品を勧められた。その医師は、薬はどれも同じはずだが、この薬に限っては先発に一日の長があるといっていた。
リハビリと服薬に加え、日常生活での注意事項として、次のような姿勢は避けるべきだといわれている。後ろに反り返る、長時間立ったままでいる、重い物を持つ、腰をひねる・・。逆に、前屈みになる姿勢はよいそうだ。その医師は、リハビリはあまり信頼していないようで、完治には手術しかないとその方を勧めてくれた。しかし、私自身、それにはなぜかいまひとつ信頼が持てないでいる。
新しい医院に通い始めて半年が過ぎた。ずいぶん楽になったので、リハビリは打ち切り、服薬だけにしてみた。近頃では、長距離を歩いても十分耐えられるようになった。ただ、歩くスピードは遅く、力強さにも欠ける。歩くときのふらつきも治らない。医師からは、ふらつきは神経の問題として突っぱねられている。こうなれば、あとは気持ちの問題として、自分自身で頑張るだけである。
(2025年12月29日 藤原吉弘)